よくある上司のダメな指導パターン
「従業員への“一球入魂”はやめよう!」
従業員は上司の自己満足に付き合っている暇はありません。
これは小規模事業者の社長や新任の管理職に多い傾向です。
もし、自分や部下が「一球入魂」と称して従業員に教育という名の自己満足を押し付けているなら、今すぐ見直すべきです。
1. 上司の自己満足になっていないか?
2. 自分の「やり方」を押し付けるリスク
3. 人材の多様性を活かす発想へ
4. 上司が「指導」のつもりで自信を奪うことも
5. [チェックリストで確認] 自分の指導スタイルを振り返る
1. 上司の自己満足になっていないか?
「自分と同じように仕事をしてほしい」「同じ段取りや営業方法で進めてほしい」——こうした上司から部下への要望は、仕事のやり方や向き合い方に関するものが多いです。
しかし、これはあくまで**「個人のスタイル」**であり、すべての従業員に当てはまるわけではありません。
確かに、無駄な時間の使い方をする部下にイライラすることもあるでしょう。しかし、誰もが同じように効率よく仕事ができるわけではないということを理解することが大切です。
仕事の進め方が際立って非効率でない限り、結果に大きな影響がなければ問題ないのではないでしょうか。
2. 自分の「やり方」を押し付けるリスク
私自身、せっかちなタイプの人間なので、質問に対する返答が少し遅れるだけで「リズムが合わない」とストレスを感じることがありました。
しかし、他の従業員から「彼・彼女は仕事の進め方がゆっくりですが、結果やプロセスに問題はありません。少し長い目で見てあげてください」という指摘を受けました。
そこで改めて彼らの業務を見直してみると、確かに結果や仕事の流れに問題はありませんでした。
私は単に**「自分とリズムが違うから」**という理由でストレスを感じていただけだったのです。
3. 人材の多様性を活かす発想へ
自己分析をすると、**「自分の行動」=「相手に望む理想像」**になっていたことに気付きました。
しかし、人を雇う根本的な理由は何でしょうか?
- 自分一人では処理できない業務を任せるため
- 人材を増やし、事業を拡大するため
従業員を採用する目的は、「自分のコピーを増やすこと」ではなく、多様な考え方や行動を持つ人材が、それぞれのやり方で成果を出すことです。
結果的に、異なるアプローチをすることで会社の発展や新たな視点の獲得につながることもあるのではないでしょうか。
このように考えると、「自分とは異なるスタイルで仕事をする従業員こそ、新しい価値を生み出す存在なのではないか」と思うようになりました。
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4. 上司が「指導」のつもりで自信を奪うことも
逆に、上司が自分のやり方を押し付けることは、従業員の自信を奪うことにもつながります。
なぜなら、結果よりもプロセスばかりに目を向けることで、従業員を褒める機会が減るからです。
人は「叱責」だけでは成長しません。
特に、職場で実績を出している従業員は褒められることに慣れている一方で、叱られることに慣れていない場合があります。
また、成功体験を積んできた人ほど、自分のやり方こそ最良だと考えがちですが、それを他者に押し付けても必ずしも同じ結果が得られるわけではありません。
5. 自分の指導スタイルを振り返る
もし、自分が部下や従業員を指導する際に**「押し付け」になっていないかどうか**を確認する方法として、以下のチェックをおすすめします。
✅ 部下の仕事の進め方に細かく口を出しすぎていないか?
✅ 自分のやり方と違うからといって、不要なストレスを感じていないか?
✅ プロセスばかりを見て、結果を正当に評価できているか?
✅ 従業員の成長を支援するという視点で指導できているか?
指導とは、「自分のやり方を押し付けること」ではなく、部下の強みを活かして成長をサポートすることです。
この機会に、一度指導スタイルを振り返ってみるのはいかがでしょうか?
まとめ
- 「一球入魂」の指導は、自己満足になりやすい。
- 自分と同じスタイルを押し付けても、成果が出るとは限らない。
- 異なる考え方や行動パターンの従業員が、新しい価値を生み出す可能性もある。
- 結果を正しく評価し、プロセスばかりに目を向けないようにすることが大切。
- 従業員の個性を尊重しながら、成長をサポートする指導スタイルを意識する。
一度、自分の指導が「押し付け」になっていないか、振り返ってみてください。
部下の成長を支援する視点を持つことで、より良い組織づくりにつながるはずです。
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