企業風土
最近、ある大手メディアの幹部から「企業風土」という発言がありました。
従業員は、まさにこの企業風土の中で働いています。そして、中小零細企業の社長にも当然、企業風土というものは存在します。
1. 企業風土とは何か
企業風土とは、その会社の文化や成り立ち、背景を如実に表すものです。しかし時には、あまり良くない表現や、古き悪しき歴史を肯定してしまうという側面もあります。
もちろん、それを理解している社長や管理職、リーダーが良い意味で使う場合もありますが、従業員が口にする場合は否定的な表現として語られるケースが多いものです。
私が仕事を請け負う立場で、一番好きではない言葉が「この業界は……」というもの。
これは「企業風土」と同様で、業界全体の古い常識や慣例を疑問なく正当化しているように感じられます。
2. 悪しき風土が招くもの
企業風土には、以下のような要素が含まれがちです。
- 悪しき習慣や慣例
- ファミリー経営の弊害
- 社長や幹部の“好み”だけで選抜された管理職・役員の影響
こうした風土を理由に、従業員が発言や行動を控えてしまうケースをよく見かけます。
私自身もかつて働いていた会社で、「企業風土」という見えないルールに縛られ、発言を制限されたり行動を抑制されたりした経験があります。
会社を立て直すため、雰囲気を刷新するために動いた結果、「身勝手」「自分勝手」と批判を受けることも少なくありませんでした。
3. 企業風土が生む思考停止
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企業風土は良い面もあれば、思考停止を招き、生産的な行動や考え方を制限してしまうリスクもあると社長や管理職は理解すべきです。
特に中間管理職が「企業風土」を理由に、従業員に意味不明なルールや規則を押し付ける場面も少なくありません。
こういった風土に嫌気がさして離職する従業員も多いのが現状です。
4. 「不文律」となってしまう企業風土の例
自分の業務に差し障るような暗黙のルールや不文律は、当人にとって大きなストレスとなります。
たとえば、最近の大手メディア関連の事案では、多くの問題が指摘されていますが、主に以下のような点が挙げられます。
- 番組制作の権力構造
- ディレクターやプロデューサーが自分たちの選んだ人材を主役にできるという“驕り”や権力の乱用。
- “選ぶ立場”にいるという勘違い
- 企業風土として、自分たちは常に「選ばれる側」ではなく「選ぶ側」だという意識が根付いている。
- 古い企業ならではの不文律
- 長年、慣例や古い価値観に縛られて、風通しの悪い体質を温存してしまう。
若い世代の従業員は、そのような上司や先輩の仕事ぶりや運び方をよく見ています。しかし、大企業の場合は組織も大きく、力関係も複雑なので、改善の難しさを感じることも多いでしょう。
5. 改革を目指すリーダーに求められること
もしあなたが「会社を変えたい」「改革したい」という思いを持つリーダーならば、営業方法や管理業務の見直しに着手する前に、まずは自社の企業風土を理解・見直すことをおすすめします。
- 従業員がどんな声を上げているか
- どのような慣習や不文律が存在しているか
これらを把握し、企業風土の改革に着手することで、後の営業方法や管理業務の改善がより良い成果を生みやすくなります。相乗効果を狙うことができるのです。
結論
企業風土は、会社を支える「文化」でもあり、時には「古き悪しき歴史」を無意識に肯定してしまう要素にもなります。
しかし、風土を理解し、うまく刷新することで、組織内の思考停止や不合理な慣例を打破し、より生産的な職場環境を作ることが可能です。
「自分勝手」と言われるのを恐れず、改革の意志を持つリーダーは、まず企業風土を見つめ直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
将来の営業戦略や業務改善にも、きっと良い影響を与えるはずです。
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