新年あけましておめでとうございます。
来期(2025年度)に向けて、データ分析に基づいた事業計画を立案してみませんか。
来期(2025年度)に向けて、データ分析に基づいた事業計画を立案してみませんか。
特に中小零細企業は、日々の業務に追われて年度開始時にスローガンを掲げるものの、具体性に欠けることがあります。
「実際に何をどうするの?」と従業員が困惑してしまうケースも少なくありません。
そこで一度時間を作り、自社が現在どのような状況にあるのか、今後どのように事業を進めるべきかを検討する機会を持ってください。
過去のデータ分析がカギ
具体的な経営戦略には、まず過去のデータ分析が欠かせません。
過去 = 結果であり、その結果を分析することで、自分たちに何ができるのか、その範囲や強みがおおよそ見えてくるはずです。
一方、やみくもに
- 「来期は今期の売上120%を目指す!」
- 「来期は今期より多くの商品をリリースする!」
- 「来期は今期より支出を制限して利益を上げる!」
と掲げても、“言うは易く行うは難し”という状況になりがちです。
そもそも、
- 何をどうすれば売上が前年度の120%になるのか
- 商品を多くリリースすることで何のメリットがあるのか
- 支出を制限して利益を伸ばして、最終的に誰が得をするのか
こうした疑問への答えが曖昧なままでは、従業員も方向性が見えず不安になってしまいます。
私がこれまでお仕事をさせていただいた企業様でも、同様のケースは非常に多く、いざ質問するとしどろもどろになってしまうこともしばしばあります。
実際には「自分たちでもよくわかっていない」というのが事実かもしれません。
まずは過去を「読み解く」こと
そこで、まずは過去3〜5年のデータを集めましょう。できる範囲で構いません。具体的には以下のような項目がおすすめです。
- 年度ごとの月別売上
- 2025年の計画をつくる場合は、2024年/2023年/2022年/2021年/2020年の1月~12月の売上
- 商品・サービス別の売上(データが多すぎる場合は年度毎で)
- 取引先数(データが多すぎる場合は年度毎で)
- 取引先別売上(データが多すぎる場合は年度毎で)
- 上記売上をつくるのに担当した社員数(管理業務・間接業務は含まない)
- 過去5年間の会社で起こった主な出来事(従業員数の推移やトピックなど)
- 過去5年間の業界・市場、日本や海外で起こった出来事
上記7項目ほどのデータをExcelなどにまとめてみてください。
もしかすると、皆さんが想像していた以上に大きな変化や、「気づき」「見落とし」が見つかるかもしれません。
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「ペーパー」に落とした数字から予想してみる
ペーパー(Excelシートなど)に落とし込んだ数字やコメントをもとに、来期の予想を立ててみましょう。
初めはあまり現実的ではない予想や、楽観的すぎる見立てになってしまうかもしれませんが、“やらないよりはやったほうが良い”のです。
この作業を毎年、あるいは半期・四半期ごとに続けていくことで、より現実的で身の丈に合った予測ができるようになります。
また、データに基づいた予想であれば、従業員への説明にも説得力が増します。数字とコメントを組み合わせて伝えることで、経営者自身も冷静に思考できるようになるでしょう。
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まずは一度チャレンジしてみてください
データ分析に基づく事業計画は、最初はハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、実際に過去のデータをまとめ、数字を眺めてみると、会社の強みや弱みが客観的に見えてきます。
これは従業員に対しても、今後の経営方針を納得感ある形で示すための有力な材料になるはずです。
ぜひ一度、チャレンジしてみてください。
ポイントまとめ
・過去3~5年のデータ分析は、具体的な経営戦略を立てる上で必須。
・数字やコメントをまとめることで、「気づき」や「見落とし」を発見できる。
・データに基づいた目標設定なら、社内への説得力が増し、経営者自身も冷静に判断できる。
最後に
「事業計画の立案」と聞くと難しそうに思えますが、まずは手元にある数字を整理してみることから始めてみてください。過去を正しく理解し、そこから得た“気づき”を来期へと活かしていきましょう。